2022.12.06
case
矯正治療前の精密根管治療
症状 : 矯正治療前に感染を除去してほしいと言われた。
治療期間 / 3か月
料金
精密根管治療(前歯) | 8万円 |
レントゲン、CT検査 | 0.88万~円 |
ダイレクトボンディング | 4万円 |
根管治療前。詰め物の周りに大きな影があります。病巣はCTで状態を確認することがあります。
根管治療後は、ダイレクトボンディング(マイクロスコープでなるべく歯を削らずに修復する方法)で歯を封鎖していきます。
マイクロスコープで根管内を確認すると、歯の神経は感染をしていました。
歯の根の周りの骨が根管治療により再生していることがわかります。
矯正治療を開始する前に、前歯の根の感染(根尖病巣)を確実に治療してほしいと、矯正歯科医院より紹介、来院されました。過去の虫歯の取り残し(一番多いです)による感染が、顎の骨の中で広がっていました。ラバーダム(無菌的に虫歯治療や根管治療を行うためのもの)防湿を行い、マイクロスコープ(精密な根管治療には必須の道具)を用いて適切な診断と感染を確実に除去します。神経は死んでいたため(歯髄壊死)、神経の治療(根管治療)となりました。残念ながら、神経の保存(歯髄温存療法)することはできませんでしたが、根管治療後の経過観察では骨の再生が確認できました。骨の中の感染(根尖病巣)があると、矯正治療に影響を及ぼすため、特に矯正治療前はマイクロスコープを使った徹底的な感染除去(マイクロエンド、精密根管治療)が重要となります。経過は良好ですが、慎重な経過観察が必要となります。精密根管治療の注意事項:治療途中で受診をやめると感染が悪化することがあります。治療は自由診療となり、被せものや土台の治療が必要になることがあります。当院で治療を継続する場合、被せものはマイクロスコープを使った精密治療による自由診療となります。治療中は患歯で噛まないように注意が必要です。痛みが引かない場合や歯以外の痛みの原因がある場合は、痛みの専門医と連携することがあります。